なぜ医薬品流通にBCPが必要なのか?
医薬品は、生命に直結するインフラ製品です。GDPガイドライン(2018年発出)では、単に「正しく運ぶ」だけでなく、偽造品の混入防止や品質の完全性(温度管理など)を求めています。
しかし、大規模地震やサイバー攻撃が発生した際、供給が止まれば患者の命が危険にさらされます。そのため、どんな状況下でも、GDPの品質基準を保ちつつ、供給を継続することが、医薬品卸や物流会社に強く求められています。

こんにちは。
今回はBCPについて考えてみましょう。
医薬品業界において、GDPとBCPは、切っても切れない関係にあります。簡単に言えば、GDPは「平時の品質を守るルール」であり、BCPは「有事(災害・パンデミック等)にその供給を止めないためのルール」です。
医薬品は、生命に直結するインフラ製品です。GDPガイドライン(2018年発出)では、単に「正しく運ぶ」だけでなく、偽造品の混入防止や品質の完全性(温度管理など)を求めています。
しかし、大規模地震やサイバー攻撃が発生した際、供給が止まれば患者の命が危険にさらされます。そのため、どんな状況下でも、GDPの品質基準を保ちつつ、供給を継続することが、医薬品卸や物流会社に強く求められています。
GDPの基準を維持しながら事業を継続するために、以下の3つの観点から対策を練る必要があります。
① 温度管理の継続(品質保持)
GDPの核は温度管理です。停電時でも保冷庫や定温倉庫の機能を維持しなければなりません。
対策例: 自家発電機の設置、配送車両の燃料確保、蓄冷材の十分な備蓄、バックアップ倉庫の確保。
② 流通経路の透明性と偽造品対策(安全確保)
混乱時にはドサクサに紛れて「偽造医薬品」が入り込むリスクが高まります。
対策例: 緊急時の代替仕入先・配送ルートを事前に定義しておく。不正規なルートからの調達を許さない厳格な受け入れ手順の策定。
③ 配送リソースの確保(供給維持)
道路の寸断やガソリン不足、スタッフの被災を想定します。
対策例: 配送ルートの多重化、衛星電話などの通信手段確保、地域卸同士の相互協力体制(協定)の構築。
BCPを策定・見直す際の「GDP的ポイント」は以下の通りです。
| <項目> | <具体的な内容> |
| ハード面 | 倉庫の耐震化、非常用電源の稼働テスト(定期点検)、温度モニタリングシステムの冗長化 |
| ソフト面 | 緊急時マニュアルの整備、重大な温度逸脱が発生した際の廃棄・判断基準の明確化 |
| ネットワーク | 3PL(外部物流委託先)との災害時役割分担、製造販売業者(メーカー)との情報連携フロー |
| 訓練 | 発災を想定した「温度逸脱対応シミュレーション」や「手書き伝票での出荷訓練」 |
医薬品流通におけるBCPの真の目的は、パニックの中でも、GDP(品質)を妥協せずに供給を続けることにあります。
「非常時だから多少の温度変化は仕方ない」という考えではなく、「非常時でもこの範囲の逸脱なら品質に影響がないことを証明し、供給する」というデータに基づいた体制づくりが、今の医薬品物流には求められています。
Point: 2026年度の診療報酬・薬価改定や供給不安の問題を受け、医薬品の安定供給能力(BCPの策定状況など)は、企業評価の重要な指標となりつつあります。
作成 :薬剤師 菅沼一茂
株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:
温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理
リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)
BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)
医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。
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