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手順書の位置づけ

医薬品GDP（Good Distribution Practice：適正流通規範）における手順書は、日常業務を標準化し、医薬品の品質と完全性を保持するための基本文書です。
手順書は、規制要件を満たすだけでなく、事故やヒューマンエラーを防止するための具体的な行動指針として機能します。

手順書の目的

手順書は以下の目的を持ちます：

• 医薬品の受入・保管・出庫・輸送などの業務を標準化する

• 温度管理、外観検査、ラベル確認など、品質保持のポイントを明確化する

• 記録（ログ、帳票）を残すことで、トレーサビリティを確保する

• 不適合や逸脱が発生した際の対応手順を明示する

手順書に含めるべき主な内容

• 業務の範囲と目的

  • どの業務を対象とする手順書かを明確に記載

  • 目的として医薬品の完全性保持、適正流通の確保を示す

• 責任者・担当者

  • 手順書に従う業務担当者

  • 管理責任者の役割や権限

• 業務手順の具体的な手順

  • 受入・検品：納品時の数量確認、温度確認、外観チェック

  • 保管：温度・湿度管理、棚配置、先入先出管理

  • 出庫・発送：製品選定、ラベル確認、輸送条件確認

  • 記録：温度記録、輸送記録、検品記録

• 逸脱・不適合への対応手順

  • 品質問題や破損・変質が見つかった場合の処置

  • 販売先への通知・回収手順

  • 原因調査・再発防止策

• 文書・記録管理

  • 手順書の版管理

  • 記録の保存期間と保管場所

  • 電子データの取り扱い

手順書作成のポイント

• 誰が読んでも理解できる平易な表現を用いる

• 図やフローを活用して業務の流れを可視化する

• 実務と乖離しない現実的な手順にする

• 定期的にレビュー・更新を行い、改善点を反映する

手順書の活用方法

• 日常業務の教育・訓練教材として使用

• 内部監査や外部監査で遵守状況を確認

• 不適合発生時の対応マニュアルとして参照

まとめ

手順書は医薬品の品質保持と業務の標準化を両立させる実務指針であり、単なる形式的な文書ではなく、現場で実際に活用されることが重要です。

作成　：薬剤師　菅沼一茂

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