メディカルロジスティクスサイト

トップページ > 物流コラム

医薬品GDPの校正

2025/11/07(2025/10/24)
0
医薬品GDP
医薬品GDPの校正

こんにちは。

今回は校正について考えたいと思います。

校正とは

温度計・湿度計・データロガー・秤量機器などの測定機器が、規定の精度で正しく測定できるように確認・調整することを指します。
これは、医薬品の品質を確実に維持するために不可欠な要素です。

校正の目的

  1. 測定値の信頼性を確保するため
     機器の測定値が実際の値と乖離している場合、温度管理や保管条件の妥当性が損なわれるおそれがあります。

  2. GDPの要求事項への適合
     GDPでは、「設備及び機器は定期的に校正または点検されること」が求められています。

  3. 逸脱・苦情・回収の未然防止
     誤った測定値により温度逸脱などが発生すれば、製品の品質リスクにつながります。

校正の対象機器例

  • 温度ロガー、温湿度計

  • 冷蔵庫・保冷車搭載の温度センサー

  • 秤(はかり)

  • データロガー解析装置

  • 温調設備の制御センサー

校正の頻度と基準

  • 頻度:原則として年1回を基本とし、使用頻度・重要性・リスクに応じて設定します。

  • 基準:国家計量標準(JCSS等)にトレーサブルな校正を行うこと。

  • 記録:校正証明書・点検記録をGDP文書として保管します。

校正の実施手順

  • 校正計画の立案(対象・頻度・方法の明確化)

  • 校正の実施(社内または外部委託)

  • 結果の評価(許容範囲外の場合は再調整または交換)

  • 記録の保存(校正証明書の保管期間は通常5年以上)

  • 次回校正時期の管理(機器台帳によるスケジュール管理)

 

校正時の注意点

  • 校正業者のトレーサビリティ証明を確認する。

  • 輸送用データロガーなども、記録精度の維持のために定期校正が必要。

  • 校正結果が不合格の場合、その機器で取得したデータの有効性を評価する。

  • 校正中は代替機器の準備または測定停止期間の管理が重要。

 

校正と点検の違い

項目 校正 点検
目的 精度を国家標準に照らして確認 動作の可否・異常の有無を確認
実施者 専門業者または校正設備保有者 現場担当者でも可
頻度 定期(例:年1回) 随時・日常点検
記録 校正証明書 点検チェックシートなど

GDPで求められる校正管理のポイント

  • 校正の計画・実施・記録・評価・保存を文書化すること。

  • 校正業者を選定する際は適格性評価を行う。

  • 校正記録を変更管理や逸脱管理と連携させることで、品質保証体制を強化できる。

まとめ

医薬品の品質は「正しい測定」から始まります。
GDPにおける校正とは、単なる機器の点検ではなく、
医薬品の完全性を科学的根拠で保証する行為です。
定期的な校正の実施と、結果の記録・評価の徹底が信頼される物流品質につながります。

 

作成 :薬剤師 菅沼一茂

丸総が実現する「流れ続ける物流」

株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:

  • 温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理

  • リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)

  • BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)

医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。

医薬品物流の見直し、ぜひ丸総にご相談ください

製薬企業・卸企業・医療機関の皆様、
丸総が医薬品物流のパートナーとしてお力になります。

▶︎ [お問い合わせはこちら]

メディカル担当

電話:0548-32-0770

e-mail:sales@marusoh-el.co.jp

お問い合わせ

医薬品・医療機器の物流に関することや資料請求はお気軽にお問い合わせください