校正とは
温度計・湿度計・データロガー・秤量機器などの測定機器が、規定の精度で正しく測定できるように確認・調整することを指します。
これは、医薬品の品質を確実に維持するために不可欠な要素です。

こんにちは。
今回は校正について考えたいと思います。
温度計・湿度計・データロガー・秤量機器などの測定機器が、規定の精度で正しく測定できるように確認・調整することを指します。
これは、医薬品の品質を確実に維持するために不可欠な要素です。
測定値の信頼性を確保するため
機器の測定値が実際の値と乖離している場合、温度管理や保管条件の妥当性が損なわれるおそれがあります。
GDPの要求事項への適合
GDPでは、「設備及び機器は定期的に校正または点検されること」が求められています。
逸脱・苦情・回収の未然防止
誤った測定値により温度逸脱などが発生すれば、製品の品質リスクにつながります。
温度ロガー、温湿度計
冷蔵庫・保冷車搭載の温度センサー
秤(はかり)
データロガー解析装置
温調設備の制御センサー
頻度:原則として年1回を基本とし、使用頻度・重要性・リスクに応じて設定します。
基準:国家計量標準(JCSS等)にトレーサブルな校正を行うこと。
記録:校正証明書・点検記録をGDP文書として保管します。
校正計画の立案(対象・頻度・方法の明確化)
校正の実施(社内または外部委託)
結果の評価(許容範囲外の場合は再調整または交換)
記録の保存(校正証明書の保管期間は通常5年以上)
次回校正時期の管理(機器台帳によるスケジュール管理)
校正業者のトレーサビリティ証明を確認する。
輸送用データロガーなども、記録精度の維持のために定期校正が必要。
校正結果が不合格の場合、その機器で取得したデータの有効性を評価する。
校正中は代替機器の準備または測定停止期間の管理が重要。
| 項目 | 校正 | 点検 |
|---|---|---|
| 目的 | 精度を国家標準に照らして確認 | 動作の可否・異常の有無を確認 |
| 実施者 | 専門業者または校正設備保有者 | 現場担当者でも可 |
| 頻度 | 定期(例:年1回) | 随時・日常点検 |
| 記録 | 校正証明書 | 点検チェックシートなど |
校正の計画・実施・記録・評価・保存を文書化すること。
校正業者を選定する際は適格性評価を行う。
校正記録を変更管理や逸脱管理と連携させることで、品質保証体制を強化できる。
医薬品の品質は「正しい測定」から始まります。
GDPにおける校正とは、単なる機器の点検ではなく、
医薬品の完全性を科学的根拠で保証する行為です。
定期的な校正の実施と、結果の記録・評価の徹底が信頼される物流品質につながります。
作成 :薬剤師 菅沼一茂
株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:
温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理
リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)
BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)
医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。
製薬企業・卸企業・医療機関の皆様、
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