品質マニュアルの位置づけ
医薬品の適正流通(GDP)における品質マニュアルは、事業者が行うすべてのGDP活動の「品質保証の基礎」となる文書です。
組織全体の品質方針、体制、手順、責任範囲を明確にし、流通過程での医薬品の品質・完全性を維持するための指針を示します。

こんにちは
「品質マニュアル」は、医薬品の製造・流通全体にわたる品質保証の仕組み(品質システム)を定めた言葉です。
、「品質システム」は、その品質マニュアルに基づいて構築・運用される組織全体のシステムです。
品質システムは、医薬品の品質を「製造」段階で保証するGMP(製造管理・品質管理)と、「流通」段階で保証するGDP(適正流通)を統合した概念です。
医薬品の適正流通(GDP)における品質マニュアルは、事業者が行うすべてのGDP活動の「品質保証の基礎」となる文書です。
組織全体の品質方針、体制、手順、責任範囲を明確にし、流通過程での医薬品の品質・完全性を維持するための指針を示します。
品質マニュアルの目的は次の通りです。
GDPの要求事項を満たす品質システムの全体像を示す
全従業員に品質方針を周知し、品質意識を高める
内部および外部監査時に、組織の品質管理体制を説明する
手順書や記録類など、他の文書体系との整合性を確保する
一般的に、品質マニュアルには以下のような項目が含まれます。
目的および適用範囲
どの業務範囲(保管、輸送、返品、苦情対応など)に適用されるかを明確化します。
品質方針
経営層が定める品質の基本方針を記載します。例:「医薬品の品質と患者安全の確保を最優先とする」
組織および責任
責任者(GDP管理責任者、品質保証責任者など)の職務・権限を定義します。
品質システムの概要
手順書、記録、自己点検、教育訓練、変更管理、CAPAなどの運用方針をまとめます。
文書および記録管理
文書の作成・改訂・保管・廃棄までのルールを明記します。
リスクマネジメントと継続的改善
品質リスク評価の方法や、改善の仕組み(CAPA・マネジメントレビュー)を記載します。
品質マニュアルは、一度作って終わりではありません。
年次のマネジメントレビューや自己点検結果に基づいて見直しを行う
関連法令や業務内容の変更があれば、速やかに改訂する
改訂時は改訂履歴を明示し、承認者・発効日を明確にする
品質マニュアルは現場で実際に運用されてこそ意味があります。
そのため、職員に対して以下を徹底します。
GDP教育の一環としてマニュアル内容を周知する
手順書との関係性を理解させる
品質意識を維持するため、定期的な再教育を実施する
GDPの根幹である「品質システム」を文書化したものが品質マニュアルです。
マニュアルを基盤に、実際の業務手順書(SOP)や記録文書が体系的に整備され、
結果として医薬品の品質・完全性の維持につながります。
品質マニュアルは、
「組織の品質保証活動を可視化し、GDP実践の軸を示す文書」
です。
全職員が理解し、日常業務の中でマニュアルの精神を実践することが、
医薬品流通における信頼性確保の第一歩となります。作成 :薬剤師 菅沼一茂
株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:
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医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。
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