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基本的な考え方

医薬品GDPでは、使用期限を過ぎた医薬品は市場に供給してはならないと明確に定められています。
これは、品質・有効性・安全性が保証されるのは「使用期限内」であるためであり、期限切れ製品は「適正に廃棄」する必要があります。

廃棄管理の目的

• 患者への不適切な使用を防止する

• 品質保証・完全性保持の観点からリスクを排除する

• 在庫管理上の適正性を確保する

廃棄対象の特定

以下のような製品は廃棄対象となります。

• 使用期限を経過した製品

• 使用期限間近で出荷基準を満たさない製品

• 保存条件逸脱や品質疑義のある製品

廃棄対象品は、通常の在庫とは明確に区別（隔離保管）し、誤出荷防止措置を講じることが重要です。

廃棄手順の管理

廃棄のプロセスは、GDPに基づく標準作業手順書（SOP）で明確に規定しておく必要があります。
一般的な流れは以下の通りです。

1. 期限切れ品の識別・仕分け

2. 廃棄判定（責任者の確認）

3. 廃棄承認（管理薬剤師または品質保証部門）

4. 廃棄実施（適正な業者への委託を含む）

5. 記録・証跡の保存（廃棄証明書、立会記録など）

記録とトレーサビリティ

廃棄品に関する記録は、製品ロット単位で追跡可能でなければなりません。
記録には、

• 製品名・ロット番号・数量

• 廃棄理由

• 廃棄日および方法

• 立会者・確認者名
  などを明記し、一定期間保存します。

委託廃棄時の注意点

廃棄を外部業者に委託する場合は、

• 廃棄委託業者の適格性評価（許可・実績・管理体制）

• 廃棄証明書の取得

• 委託契約の締結（役割分担・責任範囲の明確化）
  が必要です。
  これは、GDPの「外部委託業務の管理」にも該当します。

教育と継続的改善

期限切れ製品の廃棄は、現場担当者の注意と運用ルールの徹底が求められます。

• 在庫管理システムで期限管理を自動化する

• 定期棚卸で期限切れ品を早期に発見する

• 廃棄誤出荷を防止する教育を継続的に実施する

まとめ

使用期限を過ぎた医薬品は、品質保証の観点から速やかに廃棄することがGDP遵守の基本です。
適正な識別・隔離・記録・委託管理を行うことで、医薬品の完全性と供給信頼性を確保することができます。

作成　：薬剤師　菅沼一茂

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