医薬品GDPの校正記録
2026/07/28(2026/07/16)
医薬品GDP
こんにちは。
今回は校正記録について考えてみましょう。
医薬品の品質は、製造されてから患者さんの手に渡るまで、厳密に管理されなければなりません。その流通過程の品質保証を担うGDPにおいて、「正しい温度や湿度で管理されていたか」を証明する根拠となるのが「校正」と「記録」です。
そもそもGDPにおける「校正(キャリブレーション)」とは?
医薬品の多くは「2〜8℃(冷所)」や「室温(1〜30℃)」など、厳密な温度管理が求められます。倉庫や輸送トラックの温度を測るために温度計やデータロガーを使用しますが、「その温度計が示す値は、本当に正しいのか?」を定期的に確認し、標準器(国家標準などにトレーサビリティのある精度の高い機器)と比較する作業が「校正」です。
温度計も使い続ければ経年劣化や衝撃で少しずつ値がズレていきます。もし温度計が「5℃」を示していても、実際は「10℃」だった場合、知らずに医薬品を劣化させてしまうことになります。これを防ぐための必須プロセスです。
なぜ「記録」が命なのか?
GDP(およびGMPなどの品質保証基準全般)には、「記録されていないことは、実施されていないことと同じであるという大原則があります。
どんなに丁寧に校正を行っていても、それが適切な記録として残っていなければ、監査や査察の際に「適切に管理している」と証明できません。記録は単なるメモではなく、医薬品の品質を担保するための公的な証拠となります。
校正記録に含めるべき具体的な項目
校正を実施した際の記録には、誰が見ても(査察官が見ても)内容が正確に把握できるよう、以下の情報を含める必要があります。
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対象機器の情報: 機器の名称、メーカー、型番、シリアル番号(管理番号)、設置場所
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校正の実施日と次回実施予定日: いつ行い、次はいつ行うのか(通常は年1回など定期的に実施)
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使用した標準器の情報: 標準器の名称、管理番号、その標準器自体の校正期限(トレーサビリティの証明)
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許容基準(判定基準): どの程度のズレ(例:±0.5℃など)までなら合格とするか
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測定データ(校正前・校正後): (調整前データ):校正に出した時点でのズレの大きさ
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合否判定: 許容基準を満たしているかどうかの明確な判定
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実施者と確認者の署名・日付: 誰が作業し、誰が承認したか
万が一、校正で「ズレ(逸脱)」が見つかったら?
校正記録で一番重要なのは「合格した記録」を残すことだけではありません。もし、校正前のデータで許容基準を超えるズレが見つかった場合の対応記録が極めて重要です。
この場合、「その温度計を使っていた期間中、保管・輸送していた医薬品の品質に影響はなかったか?」を遡って調査(逸脱管理と影響評価)し、その結果もセットで記録・保管する必要があります。
まとめ
医薬品GDPにおける校正記録は、「うちの会社は、確かな精度を持った機器で、間違いなく医薬品の温度管理を行っています」ということを社会や規制当局に証明するための絶対的な盾となります。単なる事務作業ではなく、患者さんの安全に直結する重要な業務です。
今回は基礎的な全体像を解説しましたが、自社のSOP(標準作業手順書)の作成ポイントや、温度マッピングとの関係など、さらに深掘りして知りたいテーマはございますか?
作成 :薬剤師 菅沼一茂
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株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:
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温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理
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リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)
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BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)
医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。
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