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医薬品GDPの販売先の適格性評価

2025/11/17(2025/11/10)
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医薬品GDP
医薬品GDPの販売先の適格性評価

こんにちは。

今回は販売先の適格性評価について考えてみたいと思います。

適格性評価とは

医薬品の販売先に対する「適格性評価」とは、医薬品を販売・供給する相手先が、法令およびGDPガイドラインに基づき、適切に医薬品を取り扱う能力と体制を有しているかを確認することを指します。
これは、医薬品の品質および完全性をサプライチェーン全体で確保するための重要な要素です。

実施の目的

  • 不適切な取扱いや流通ルートへの流出を防ぐ

  • 偽造医薬品や不正転売のリスクを低減する

  • 医薬品の品質保証責任を明確化する

販売先がGDP遵守体制を持たない場合、製造販売業者や卸売販売業者にまで品質問題や行政指導が及ぶおそれがあります。

評価の対象

販売先の適格性評価は、以下のような取引先に対して行われます。

  • 医薬品卸売販売業者

  • 医療機関(病院・診療所)

  • 保険薬局

  • 研究機関、製造受託先、再販業者 など

新規取引開始時だけでなく、定期的な再評価や変更時の再確認も必要です。

評価の内容(主な確認項目)

販売先が法的に認可を受け、適正に運営されているかを確認します。主な項目は次の通りです。

確認項目 具体例
法令遵守 医薬品販売業許可証の有効性、更新状況
保管管理体制 温度・湿度管理、セキュリティ、設備の整備
品質保証体制 品質不良・回収時の対応体制
教育訓練 GDP関連の教育、手順書の整備
トレーサビリティ 出荷・納品記録の適切な保管
輸送管理 温度管理条件や輸送業者との連携体制

評価の方法

適格性評価は、以下のような手法を組み合わせて実施します。

  • 書面評価:質問票・自己点検表の提出による確認

  • 現地確認(監査):必要に応じて現場訪問による実地確認

  • 実績評価:過去の取引実績、不具合・苦情対応の履歴確認

リスクベースアプローチを採用し、医薬品の性質や取引規模に応じて評価の厳格さを調整します。

結果の記録と対応

評価結果は記録として文書化し、承認・保管する必要があります。
評価結果が「不適格」または「要是正」であった場合には、以下の対応を行います。

  • 改善計画の提出・確認

  • 改善完了後の再評価

  • 改善が行われない場合の取引停止または制限

再評価のタイミング

  • 一定期間ごとの定期再評価(例:3年ごと)

  • 許可証更新、所在地変更、品質苦情発生などリスク変化時

  • 新規製品取扱い開始など新たな条件が発生した場合

 

実務上の留意点

  • 評価基準は自社のGDP品質システム内で文書化しておく

  • 評価担当者は教育を受け、判断の一貫性を保つ

  • 評価記録は監査時や行政調査に備え、一定期間保管する

  • 電子システムでの評価管理も可能だが、変更履歴や承認記録を保持することが必須

まとめ

販売先の適格性評価は、単なる「形式的な確認」ではなく、医薬品の品質保証体制を維持するためのリスクマネジメント活動の一環です。
製造販売業者・卸売販売業者は、取引先全体の信頼性を継続的に見直し、医薬品の品質と完全性を守る責務を果たさなければなりません。

 

作成 :薬剤師 菅沼一茂

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