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医薬品GDPの温度マッピング報告書

2026/03/10(2026/03/02)
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医薬品GDP
医薬品GDPの温度マッピング報告書

こんにちは。

今回はバリデーション報告書について考えてみましょう。

医薬品GDPにおける温度マッピング報告書は、査察時に最も厳しくチェックされる書類の一つです。「適切に管理しています」という主張の科学的根拠となるため、客観性と再現性が求められます。

報告書の構成案(標準的な項目)

一般的に、以下の構成で作成します。

   項目                          内容のポイント
目的と範囲               どの倉庫(または車両)の、どのエリアを対象としたか。
実施期間                 測定の開始日時〜終了日時(最低7日間など)。
使用機器の情報         データロガーの機種名、シリアル番号、校正証明書の有無。
サンプリング配置図   センサーをどこに置いたか(3D図面や写真)。
測定結果の要約         全地点の最高・最低・平均・MKTのサマリー表。
ホット/コールド特定  ワーストポイントの特定とその理由。
逸脱の有無と処置      許容範囲を超えた場合の理由と対策(あれば)。
結論(判定)           当該エリアが医薬品保管に適しているかどうかの最終判断。

グラフと図表の活用(視覚化)

数値の羅列だけでなく、一目で状況がわかるビジュアル資料を添付するのがGDPのスタンダードです。

  • 重ね合わせグラフ: 全てのセンサーの温度推移を一つのグラフにまとめ、全体のバラツキ(バンドの幅)を確認します。

  • ヒートマップ: 倉庫図面上に温度分布を色分けして表示し、どこが危険地帯かを可視化します。

逸脱が起きた時の書き方

もし測定中に設定温度(例:25℃)を超えてしまった場合、即座に「不合格」とするのではなく、以下のプロセスを報告書に記述します。

  1. 原因分析: 「入出荷作業でシャッターを長時間開放した」「エアコンの霜取り運転が入った」など。

  2. MKTによる評価: 瞬間的な逸脱であっても、MKT(平均分子温度)が許容範囲内であれば、品質への影響は限定的であると結論付けることが可能です。

  3. 是正処置(CAPA): 「その場所を保管禁止にする」「ビニールカーテンを設置する」などの対策を明記します。

査察官がチェックする「落とし穴」

報告書作成時に、以下の点に不備がないか再確認してください。

  • ロガーの校正期限: 測定時にロガーの校正が切れていないか?(期限切れのデータは証拠能力を失います)

  • 生データの保存: 報告書にまとめた後の「元データ(CSVや専用形式)」が改ざん不可能な状態で保管されているか?

  • 署名と承認: 作成者だけでなく、品質保証部門(QA)などの責任者による承認印があるか?

まとめ:報告書のゴール

この報告書の最終的なゴールは、この場所の、この位置に常時監視センサーを置いて管理していれば、倉庫全体の品質は保証されるというロジックを完成させることです。

「冬の結果」と「夏の結果」は、最終的に一つのバリデーション総括報告書としてまとめ、通年の妥当性を証明するのが最も望ましい形です。

これで温度マッピングの一連の流れ(計画〜実施〜報告)が網羅できました。

 

作成 :薬剤師 菅沼一茂

丸総が実現する「流れ続ける物流」

株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:

  • 温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理

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