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医薬品GDPと竜巻

2026/07/17(2026/07/02)
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医薬品GDP
医薬品GDPと竜巻

こんにちは。

今回は竜巻について考えてみましょう。

「竜巻(トルネード)」は、BCP(事業継続計画)や品質リスクマネジメント(QRM)の観点から非常に重大な脅威として位置づけられます。特に近年、国内外で竜巻による医薬品サプライチェーンの深刻な分断事例が発生しており、対策の重要性が増しています。

GDPの観点から、竜巻が発生した際のリスクと求められる対策を整理しました。

過去の重大な事例(米国ファイザー社の例)

2023年7月、米国ノースカロライナ州にあるファイザー社のロッキーマウント工場(世界最大級の無菌注射剤製造拠点)が巨大な竜巻に襲われ、医薬品の保管倉庫が完全に損壊しました。

  • 影響: 病院で使用される麻酔薬や鎮痛剤、抗感染症薬など約30品目の供給に混乱が生じる恐れがあり、世界的なサプライチェーンの脆弱性が浮き彫りになりました。

  • 教訓: 製造施設が無事であっても、GDPの管轄である「保管・流通拠点」が破壊されれば、医療現場への安定供給は一瞬でストップします。

 

竜巻が医薬品GDPに与える主なリスク

① 保管環境(温度・湿度)の逸脱

竜巻によるインフラ破壊で停電が発生すると、保冷庫や空調システムが停止します。GDPが最も厳格に求める「2〜8℃」や「15〜25℃」といった温度管理(温度マネジメント)が維持できなくなり、医薬品の品質を担保できなくなります。

② 物理的破壊と汚染

倉庫の屋根や壁が吹き飛ぶことで、医薬品が直接風雨にさらされたり、飛散物によって破損したりします。また、異物混入や汚染のリスクが高まり、流通不適格(廃棄処分)となる可能性が非常に高くなります。

③ 物流ルートの寸断

道路の寸断や車両の横転などにより、医療機関への配送が完全にストップします。また、輸送中のトラックが竜巻に巻き込まれた場合、車内の温度管理原資(ドライアイスや保冷剤)の寿命を超えてしまうリスクもあります。

 

GDPガイドラインに基づく必要な「竜巻・災害対策」

GDPでは、こうした自然災害を想定した「変更管理」「逸脱管理」「BCP(事業継続計画)」の構築を求めています。

事前のリスク管理(BCPの策定)

  • バックアップ電源の確保: 停電時に備え、非常用発電機やUPS(無停電電源装置)が即座に作動するか定期的にテストする。

  • 代替流通ルート・拠点の選定: 万が一、特定の拠点が被災した場合に備え、別の共同配送網や代替倉庫を活用できる体制(マルチソーシング)を整えておく。

災害発生時の対応(逸脱管理)

  • 隔離と評価: 停電や破損の影響を受けた可能性のある医薬品は、直ちに物理的に隔離し、他の正常な医薬品と混ざらないようにします。

  • データの回収: 温度ロガー等の記録を確認し、許容される温度帯から逸脱していた時間を正確に把握。品質保証部門(QA)が使用可能か廃棄かを厳格に判定します。

記録の徹底

GDPの基本は「文書化」です。災害時であっても、「何が起きたか」「どの医薬品が影響を受けたか」「どう対処したか」をすべて記録・保管する手順が求められます。

 

作成 :薬剤師 菅沼一茂

丸総が実現する「流れ続ける物流」

株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:

  • 温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理

  • リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)

  • BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)

医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。

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