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医薬品GDPにおける医薬品倉庫のトラブル例

2025/08/29(2025/06/05)
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トラブル医薬品GDP
医薬品GDPにおける医薬品倉庫のトラブル例

医薬品GDPにおける医薬品倉庫のトラブル事例

医薬品の流通過程において品質を確保するためには、医薬品GDPの遵守が不可欠です。しかしながら、倉庫内での運用においては、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。以下に代表的なトラブル事例とその背景、対応策を解説します。

1. 温度逸脱(温度逸脱事例)

概要
冷所(2〜8℃)または室温(1〜30℃)で保管すべき医薬品が、空調設備の故障やドアの開閉過多により、規定温度を逸脱した状態で一定時間保管されていた。

原因

  • 空調機器の定期点検不足

  • 温度モニタリングアラームの設定不備

  • 関係者間の情報共有不足

対策

  • 温度ロガーとアラーム機能を連動させ、異常時の即時通知体制を構築

  • 空調機器の定期メンテナンス

  • 教育訓練による温度管理の意識向上

2. 誤出荷

概要
別の医療機関向けに仕分けられるべき製品が、誤って他の出荷先に送付された。

原因

  • ピッキング時のバーコード読み取りミス

  • 作業者の確認漏れ

  • WMS(倉庫管理システム)の設定ミス

対策

  • ダブルチェック体制の強化

  • 出荷検品工程の標準化

  • バーコード照合による機械的なミス防止

3. 製品汚染・包装破損

概要
保管中の段ボールにカビが発生、または外装が破損していたことで、出荷できない製品が発生。

原因

  • 湿度管理の不備

  • パレットの清掃・点検不足

  • 積載方法の不適切さ

対策

  • 湿度ロガーによる記録と管理

  • 定期的な庫内巡回・パレット点検

  • 破損防止のための保管マニュアルの徹底

4. 有害生物の混入(防虫防鼠対策の不備)

概要
医薬品保管エリアで虫やネズミの痕跡が発見された。

原因

  • 防虫防鼠点検の頻度不足

  • 搬入口付近の清掃不備

  • 破損したシャッター・隙間の放置

対策

  • 年間防虫防鼠計画の策定と実施

  • 防虫用トラップの設置・定期交換

  • 建屋の物理的修繕と点検

5. 記録不備・トレーサビリティ欠如

概要
製品の入庫・出庫記録に不整合があり、ロット単位でのトレーサビリティが確保できていなかった。

原因

  • 手書き記録の転記ミス

  • システムへの入力遅延

  • 記録保存のルール未徹底

対策

  • 電子的記録管理の導入と教育

  • 作業日報・記録簿のダブルチェック

  • GDP監査時の記録点検の強化

結論

医薬品倉庫におけるGDPトラブルは、いずれも「人的ミス」「管理体制の不備」「設備の老朽化」といった要因に起因しています。各トラブルの発生メカニズムを理解し、予防的対策を講じることで、医薬品の品質と供給の安定を確保することが可能です。定期的な教育訓練・見直しを行うことが、GDPの本質的な遵守につながります。

 

作成 :薬剤師 菅沼一茂

丸総が実現する「流れ続ける物流」

株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:

  • 温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理

  • リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)

  • BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)

医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。

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