メディカルロジスティクスサイト

トップページ > 物流コラム

医薬品GDPの新規仕入先との新たな取引開始

2025/12/10(2025/12/08)
0
医薬品GDP
医薬品GDPの新規仕入先との新たな取引開始

こんにちは。

今回は新規仕入先の新規取引開始について考えたいと思います。

医薬品の仕入先を新たに追加し取引を開始する場合、GDPの観点からは、医薬品の品質・完全性・供給の安定を確保するために、事前の適格性評価と継続的な監視が求められます。以下では、その必要となる主なプロセスと確認事項を解説します。

新規仕入先の「適格性評価」の実施

● 企業としての適格性確認

  • 医薬品卸売販売業許可、製造販売業許可など、必要な許認可の有無を確認

  • GDPに準拠した管理体制(品質管理、保管、配送、記録管理など)の整備状況

  • 過去の行政処分歴、重大な品質問題・回収事例の有無

  • 事業所の所在地・設備の実態確認(必要に応じて現地査察)

● 品質マニュアル・SOP類の整備状況

  • GDPに沿った品質マネジメントシステムが運用されているか

  • 温度管理、セキュリティ、トレーサビリティ、偽造医薬品対策の手順書の有無

  • 逸脱・苦情・回収の管理プロセスの整備状況

契約締結前の「品質取り決め」の整備

品質協定(Quality Agreement)の締結

  • 責任の範囲:保管、配送、返品、回収、文書管理など

  • データの提供義務:温度記録、輸送証跡、逸脱報告など

  • 緊急対応:回収時の連絡体制、対応時間、休日の窓口

  • 偽造医薬品対策の情報共有(シリアル番号、セキュアラベルなど)

● 取引条件の明確化

  • 取引する品目の範囲

  • 輸送条件(常温、冷蔵、特別条件品など)

  • 配送リードタイム、最終荷主の確認

実取引開始前の「試行・検証」

● 輸送・保管プロセスの確認

  • 模擬配送による温度検証(必要時)

  • 使用車両・容器の評価(断熱性能、温度計搭載確認)

  • 荷受時の検品手順のすり合わせ

● 情報連携テスト

  • 納品書、ロット情報、使用期限情報の取得

  • システム間(EDI等)の連携可否

取引開始後の「継続的監視」

● 定期的な評価(Supplier Audit)

  • 年次評価(苦情件数、逸脱件数、納入遅延などのパフォーマンス)

  • 重大問題発生時の特別監査

  • 品質協定の見直し

● 苦情・逸脱管理

  • 配送中温度逸脱、破損、誤配等の対応

  • 再発防止策の共有

文書化・記録保持

文書化・記録保持

  • 適格性評価の記録

  • 契約書・品質協定の保存

  • 取引開始の承認記録

  • 監査結果の記録

  • 回収・苦情対応の証跡

GDPでは「文書化されていないことは行われていないのと同じ」とされるため、すべての確認・合意・評価事項を確実に記録化することが重要です。

まとめ

新規仕入先との取引は「品質リスクの入り口」**

新規仕入先を迎えることは、物流・品質リスクの増加につながる場面でもあります。そのため、GDPに沿った事前評価・契約・試行検証・継続的監視が不可欠です。
「適格な仕入先のみと取引する」 ― これが医薬品の完全性を守る根幹となります。

 

作成 :薬剤師 菅沼一茂

丸総が実現する「流れ続ける物流」

株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:

  • 温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理

  • リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)

  • BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)

医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。

医薬品物流の見直し、ぜひ丸総にご相談ください

製薬企業・卸企業・医療機関の皆様、
丸総が医薬品物流のパートナーとしてお力になります。

▶︎ [お問い合わせはこちら]

メディカル担当

電話:0548-32-0770

e-mail:sales@marusoh-el.co.jp

お問い合わせ

医薬品・医療機器の物流に関することや資料請求はお気軽にお問い合わせください