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医薬品GDPと偽造医薬品の流通防止

2025/12/05(2025/11/27)
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医薬品GDP
医薬品GDPと偽造医薬品の流通防止

こんにちは。

今回は偽造医薬品の流通防止について考えてみたいと思います。

偽造医薬品とは

GDPにおける偽造医薬品とは、

  • 実際の成分と異なる

  • 本来の製造業者・製造番号などを偽装している

  • 真正性が確認できない

  • 無許可で製造された製剤
    などを指し、品質・安全性が保証されない極めて危険な製品である。

偽造医薬品が流通に侵入するリスク要因

  1. 非正規ルートを介した調達・販売

  2. 盗難や紛失による不正市場への流出

  3. 返品医薬品の不適切な取り扱い

  4. 外部委託先の管理不備

  5. オンライン市場や個人輸入を介する流通

GDPはこうしたリスクを最小化する仕組みづくりを求めている。

流通段階での防止策(GDP要求事項)

① 取引先の適格性確認

  • 仕入先・販売先が法令を遵守した正規業者であることを検証する

  • 登録証明や許可証を最新状態で確認

  • 取引開始時および定期的な再評価を実施

トレーサビリティの確保

  • ロット番号・使用期限・製造記録などの情報を適切に記録

  • 出荷・受領・返品などすべての流通履歴を追跡可能に保管

  • 電子システムを用いたデータの真正性保持

③ 受入時の確認強化

  • 外観検査:破損、改ざん跡、ラベル不一致をチェック

  • 納品書・注文書との照合

  • 疑わしい場合は受入保留し、品質部門または製造販売業者へ連絡

盗難・紛失対策

  • 物理セキュリティ(監視カメラ、入退室管理)

  • 輸配送時のセキュリティ確保(施錠、GPS、温度監視)

  • 盗難時は直ちに当局・製造販売業者へ報告し、回収手順を起動

返品医薬品の適正管理

  • 未開封で温度逸脱がないなど、適格性基準を満たしたもののみ再販売

  • 不適格な返品品は廃棄または隔離保管

  • 返品を悪用した偽造混入リスクを排除

外部委託先の監査と管理

  • 倉庫・輸送会社がGDP適合であることを確認

  • 委託業務の内容・責任を品質協定に明確化

  • 定期監査・パフォーマンスレビューを実施

偽造が疑われる場合の対応

  1. 隔離保管(Quarantine)

  2. 製造販売業者または品質保証部門への即時通知

  3. 調査(Investigation)と原因究明

  4. 必要に応じて回収(Recall)の開始

  5. 当局(PMDA・都道府県等)への報告

不正品の流通拡大を防ぐため、迅速で連携した対応が求められる。

組織としての取り組み

  • 継続的教育訓練:従業員への偽造発見スキル向上

  • 異常の早期発見のための SOP・チェックリスト整備

  • リスクベースアプローチによる重点管理

まとめ

偽造医薬品の流通防止は、単なるチェック作業ではなく、
「サプライチェーン全体でのリスク管理」 が本質です。
GDPが求めるのは、

  • 正規流通の維持

  • 偽造品侵入の阻止

  • 医薬品の完全性と患者安全の確保

物流部門・卸・輸送業者などすべてが連携することで、初めて確実な防止体制が成り立ちます。

 

作成 :薬剤師 菅沼一茂

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