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医薬品GDPの品質システムの保証

2025/10/23(2025/10/09)
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医薬品GDP
医薬品GDPの品質システムの保証

こんにちは。

今回は保証について考えてみたいと思います。

 

品質システムとは

品質システム(Quality System)とは、
**「品質を確保するための仕組みを全体的に管理・運用する枠組み」のことを指します。

製造現場のGMPと同様に、GDP(Good Distribution Practice:医薬品の適正流通基準)においても、
「計画 → 実行 → 点検 → 改善(PDCA)」の考え方が基本です。

品質システムの目的は、

  • 医薬品の品質が製造所から最終供給先まで維持されること

  • 各業務が手順に従って正しく実施されること

  • 問題が発生した際に再発防止が図られること

これらを組織的・継続的に管理することです。

GDPにおける品質保証の位置づけ

品質保証(Quality Assurance)は、品質システムの中核をなす概念です。
簡単に言えば、

「医薬品の品質が常に確保されていることを保証する活動」

のことです。

そのためには、次のような要素が重要になります:

  • 手順書類(SOP)の整備と遵守

  • 教育訓練の実施

  • 委託先・外部業者の適格性評価

  • 苦情・逸脱・回収などの品質関連事象の管理

  • 内部監査(自己点検)の実施

これらの活動を通じて、組織としての品質保証が成立します。

品質システムの4つの柱(GDPガイドラインより)

GDPガイドラインでは、品質システムは次の4つの要素で構成されています。

  1. 経営者の責任
     品質方針の策定、資源の確保、品質文化の醸成など。
     経営層の関与が不可欠です。

  2. 人的資源(教育訓練)
     従業員が自分の役割とGDPの意義を理解していること。

  3. 手順と記録の管理
     すべての業務を手順化し、記録を残すことでトレーサビリティを確保します。

  4. 品質リスクマネジメント(QRM)
     品質へのリスクを特定・評価・制御するプロセス。
     過剰な対策や抜け漏れを防ぐバランスの要です。

倉庫・輸配送業務における実践例

倉庫や物流現場における品質システムは、次のような形で現れます。

  • 入出庫時の温度記録・確認手順

  • ロットトレーサビリティの確保

  • 誤出荷防止策(二重確認・バーコード照合)

  • 温度逸脱時の対応手順

  • 教育訓練の定期実施と記録保存

  • 委託先(輸送業者)の適格性評価

これらを一貫して運用することで、GDPにおける「品質の保証」が達成されます。

まとめ

  • GDPの品質システムは「仕組み」、品質保証はその「目的」

  • 手順と記録を通じて再現性と透明性を確保することが重要

  • 倉庫や輸配送の現場も、日々の業務一つひとつが「品質保証活動」である。

 

作成 :薬剤師 菅沼一茂

丸総が実現する「流れ続ける物流」

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  • 温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理

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