医薬品GDPにおけるリスクベースアプローチ
医薬品のGDPでは、すべての業務において「リスクベースアプローチ」が求められています。これは、すべての活動を一律に管理するのではなく、リスクの大きさに応じて重点的に管理を行う考え方です。

こんにちは。
今回はリスクベースアプローチと言うのを考えてみましょう。
医薬品のGDPでは、すべての業務において「リスクベースアプローチ」が求められています。これは、すべての活動を一律に管理するのではなく、リスクの大きさに応じて重点的に管理を行う考え方です。
リスクとは、医薬品の品質、安全性、有効性に対して悪影響を与える可能性のある事象を指します。
GDPでは、このリスクを特定・評価し、発生を防ぐための対策を計画的に講じることが重要です。
つまり、
「リスクが高い部分に重点を置いて管理する」
というのがリスクベースアプローチの基本的な考え方です。
リスク評価は、一般的に以下の流れで実施します。
リスクの特定
どのようなリスクが存在するかを洗い出す。
例:輸送中の温度逸脱、倉庫内での混同、取扱ミスなど。
リスクの分析
発生頻度と影響度を基に、リスクの大きさを定量・定性評価する。
リスクの管理(低減策の検討)
必要に応じて手順書の改訂、設備の改善、教育訓練の実施などでリスクを低減する。
リスクの見直し
改善後の有効性を確認し、定期的に再評価する。
GDP業務では、以下のような場面でリスクベースの考え方が活用されます。
輸送ルートの設定
高温リスクの高い地域や季節では温度管理体制を強化。
保管エリアの管理
冷蔵・室温などのエリアごとにリスクを評価し、モニタリング頻度を決定。
委託業者の評価
扱う医薬品のリスクレベルに応じて、監査や適格性評価の重点を変える。
逸脱や苦情の対応
リスクの重大性に応じて、調査範囲やCAPA(是正・予防措置)を調整。
スクベースアプローチを導入することで、
限られたリソースを効果的に活用できる
重要な品質リスクに対して迅速かつ的確に対応できる
品質システム全体の信頼性が高まる
といったメリットがあります。
リスクベースアプローチは、単に「危険を避けるための考え方」ではなく、
品質を守りながら効率的に業務を遂行するための仕組みです。
GDP活動のすべての段階で、リスクを意識し、適切に管理する姿勢が求められます。
作成 :薬剤師 菅沼一茂
株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:
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