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医薬品GDPの変更管理システム

2025/10/29(2025/10/21)
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医薬品GDP
医薬品GDPの変更管理システム

こんにちは。

今回は変更管理システムについて考えたいと思います。

変更管理の目的

医薬品の流通過程においては、品質に影響を及ぼす可能性のある設備・手順・文書・委託先などの変更が発生します。
これらの変更を適切に管理することにより、医薬品の品質・安全性・供給の信頼性を維持することが目的です。
変更管理は、GDPの基本である品質システムの一部として位置づけられます。

変更管理の対象

変更管理の対象となるのは、以下のようにGDP業務全般に関わる要素です。

  • 施設・設備の変更:倉庫レイアウトの改修、空調機器の更新、温度管理機器の入替など

  • 手順書・文書の変更:SOPの改訂、記録様式の更新

  • システム変更:在庫管理システムや温度ロガーデータ処理システムの導入・更新

  • 委託業務関連:外部倉庫・輸送業者の変更、新規委託契約

  • 組織・人事の変更:責任者や担当者の交代、組織体制の見直し

変更管理の基本手順

変更は、計画・評価・承認・実施・確認の流れで管理します。

  1. 変更提案の提出
     現場担当者や責任者が変更内容を「変更申請書」に記載し提出します。

  2. 影響評価
     変更が品質・安全性・法令遵守に及ぼす影響を、関係部門(品質保証・倉庫・輸送・情報システム等)で評価します。

  3. 承認
     影響が明確化されたうえで、品質保証責任者などが実施可否を判断します。

  4. 実施
     承認後、計画に基づいて変更を実施し、必要な教育や検証を行います。

  5. 実施結果の確認と記録
     変更が予定どおり完了したか、品質への影響がなかったかを確認し、記録します。

変更管理のポイント

  • 事前承認が原則:緊急対応を除き、変更は実施前に承認を得る必要があります。

  • リスクベースの判断:変更の重要度に応じて評価の深さや承認レベルを設定します。

  • 記録の完全性:誰が、いつ、何を、どのように変更したかを明確にすること。

  • 教育・周知:変更内容が現場に浸透しなければ意味がありません。必要に応じて教育を実施します。

 

変更管理と他システムとの関係

変更管理は、GDPの他の品質システムとも密接に関連しています。

関連システム 関係内容
CAPA 不具合対応に伴う手順変更はCAPAと連動する
文書管理 手順書や記録様式の改訂が発生する
教育訓練 変更後の作業内容を社員に周知・教育する必要がある
自己点検 変更の運用状況や有効性を確認する

まとめ

変更管理システムは、単に「書類を作るための仕組み」ではなく、
品質リスクを最小限に抑え、継続的な改善を実現するための重要なプロセスです。
物流現場では、日常の小さな変更も見逃さず、
「これは品質に影響しないか?」という視点で判断することが求められます。

作成 :薬剤師 菅沼一茂

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