国際整合性が求められる背景
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医薬品の製造国・販売国が多様化
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国際的な共同治験の増加
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多国間ロジスティクス(グローバル輸送)の一般化
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温度管理や偽造防止の要求が世界的に強化
→ どの国でも同等の品質で流通できる仕組みが不可欠

こんにちは。
今回は国際整合性について考えてみたいと思います。
医薬品のサプライチェーンは国境を越えて広がっており、輸送・保管の品質を各国で同等レベルに確保することが求められています。
そのため、各国のGDPガイドラインは、国際的な整合性を意識して策定・改訂されています。
医薬品の製造国・販売国が多様化
国際的な共同治験の増加
多国間ロジスティクス(グローバル輸送)の一般化
温度管理や偽造防止の要求が世界的に強化
→ どの国でも同等の品質で流通できる仕組みが不可欠
(1)EU GDPガイドライン(2013/C 343/01)
世界で最も引用されるGDP基準
教育訓練、保管、輸送、文書管理、苦情・回収、温度管理などが詳細に規定
多くの国がEU GDPをベースとして自国の基準を整備
(2)WHO GDPガイドライン
発展途上国を含む広範な国で参照
卸売業者から輸送業者までを対象に広く網羅
温度管理や記録保持への要求が明確
(3)PIC/S GDPガイドライン
GMPの国際協議体であるPIC/Sで検討
製造〜流通まで一体的な品質保証を強調
参加国が増加しており、国際的な標準化が進む
日本の「医薬品の適正流通(GDP)ガイドライン(2018通知)」は、
EU・WHOガイドラインと整合を図りながら構成。
共通点の例
品質マネジメントシステム(QMS)の要求
適切な保管温湿度の維持
データの記録・追跡性(トレーサビリティ)
回収・苦情対応の整備
適格性評価(Qualification)の概念
日本独自の特徴
既存の薬機法・構造設備規則との整合
物流事業者(3PL)を意識した柔軟な運用
「義務ではなく指針」のためリスクベースの運用が中心
輸出入時の品質保証が容易
→ 海外当局からの信頼性向上
多国間ロジスティクスの標準化
→ 輸送条件・手順の共通化が可能
国際的な医薬品供給危機(災害・パンデミック)への対応が強化
偽造医薬品のリスク低減
→ 追跡性・完全性の確保が世界的な課題
国際的な医薬品サプライチェーンでは、
GDPは 「世界共通の品質保証言語」 として認識されつつあります。
日本の事業者も、国内基準のみならず
EU・WHOの要求を理解することで、
国際的に通用する体制構築が可能となります。
作成 :薬剤師 菅沼一茂
株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:
温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理
リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)
BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)
医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。
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