医薬品取引上の障害とは
医薬品GDPでは、流通過程での取引が適切に実行できない、または品質・完全性を損なう可能性のある事象を障害と位置づけています。
これらは市場供給の停滞、品質逸脱、法令違反などにつながるため、組織はリスクベースで管理する必要があります。

こんにちは。
今回は医薬品取引上の障害について考えたいと思います。
医薬品GDPでは、流通過程での取引が適切に実行できない、または品質・完全性を損なう可能性のある事象を障害と位置づけています。
これらは市場供給の停滞、品質逸脱、法令違反などにつながるため、組織はリスクベースで管理する必要があります。
① 仲介者の信用問題
販売先や仕入先の適格性が確認できない
登録されていない仲介者の介在
不正取引・偽造品混入のリスク
➡ 適格性評価の不足が大きな障害要因
② 製品の完全性を損なう取り扱い
適正な保管・輸送条件(温度、湿度等)が守られていない
積み替え時の破損、外箱の汚損
保冷品のクールチェーン途切れ
➡ 品質が保証できず、出荷保留・廃棄の原因に。
③ 書類・情報管理の不備
注文書・納品書・契約書の欠落
トレーサビリティ情報の欠損
出荷・配送記録の不備
➡ GDPでは「情報も製品の一部」として管理義務あり。
④ 許認可に関する障害
取引相手の許可証の有効期限切れ
品目別の取扱い制限の確認不足
手続きに関する法令知識不足
➡ 取引停止や行政指導につながる重大な障害。
⑤ システム・オペレーションの障害
受発注システムのダウン
在庫情報の不整合
ピッキング間違い・配送誤納
➡ 業務の中断と誤出荷リスクを増大。
⑥ 輸送ネットワーク上の障害
悪天候・災害による配送遅延
道路事情・交通規制による遅配
配送委託先の事故・トラブル
➡ BCP対応の重要性が増大。
リスクベースアプローチで事前評価
相手先の適格性評価
品目特性(温度、光、振動など)に応じたリスク洗い出し
プロセス管理の強化
SOP整備
記録の正確性確保
教育訓練の実施
モニタリングと逸脱管理
温度記録、配送ルートの監視
障害発生時は迅速な逸脱処理、原因究明
適切なコミュニケーション
取引先との情報共有
緊急連絡体制の明確化
継続的改善(CAPA)
再発防止策をプロセスに反映
指標(KPI)による効果測定
医薬品取引における障害は、
「品質」「完全性」「患者への安全」を脅かす要因であり、GDPの根幹である適正な取引と流通の維持に直結します。
障害を正しく理解し、事前評価 → 管理 → 監視 → 改善のサイクルを回すことで、健全なサプライチェーンを維持できます。
作成 :薬剤師 菅沼一茂
株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:
温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理
リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)
BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)
医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです
製薬企業・卸企業・医療機関の皆様、
丸総が医薬品物流のパートナーとしてお力になります。
▶︎ [お問い合わせはこちら]
メディカル担当
電話:0548-32-0770
e-mail:sales@marusoh-el.co.jp
