メディカルロジスティクスサイト

トップページ > 物流コラム

医薬品GDPとPIC/S

2025/12/04(2025/11/27)
0
医薬品GDP
医薬品GDPとPIC/S

こんにちは。

今回は医薬品GDPとPIC/Sの関係について考えたいと思います。

PIC/Sとは何か

PIC/Sは、医薬品のGMPおよびGDP分野で国際的な査察調和を推進する組織です。
現在、世界50か国以上が加盟する巨大な枠組みで、
“国際的に同等の査察水準を確保する” ことを目的としています。

PIC/Sの役割

  • GMP・GDP査察の基準・手法の国際調和

  • 加盟当局間の査察官の訓練・交流

  • ガイドライン作成(GDP Guideなど)

PIC/S GDP Guideとは

PIC/Sが策定した「GDPガイド」は、
医薬品の流通過程における品質確保の国際基準です。

日本のGDPガイドラインは、PIC/S GDP Guide(2014)を
大きく参考にして作成されています。

PIC/S GDP Guideの特徴

  • リスクベースアプローチを採用

  • GDPの**全工程(受け入れ・保管・輸送・返却・輸出入など)**をカバー

  • 品質システム、文書管理、委受託管理などを明確化

  • “温度管理” や “完全性の保持” を重視

  • 監査(self-inspection)や是正措置(CAPA)の要求

医薬品GDPとPIC/Sの関係

日本GDPはPIC/Sをベースに構築

  • 2018年の医薬品GDPガイドラインは
    PIC/S GDP Guideとの整合性を強く意識して作成されています。

  • 特に

    • 品質マネジメントシステム

    • 教育訓練

    • 委受託管理

    • 温度管理・輸送
      の要求事項はPIC/Sと共通しています。

国際整合性の重要性

  • 医薬品の流通はグローバル化しており、
    各国が同じ基準で品質を守る必要があります。

  • PIC/Sに準拠したGDP運用は、
    輸出入時の信頼向上や
    国際的な査察にも耐えうる倉庫・物流体制を作る意味があります。

PIC/S準拠が求められる理由

  1. 国際基準=海外製造所や海外卸との取引信頼性向上

  2. 温度逸脱管理などの実務レベルでの整合性

  3. リコール・不具合発生時の迅速なトレーサビリティ確保

  4. 品質と安全の観点で規制当局が共通言語を持つため

日本企業もPIC/S GDPを参照した体制を構築することで、
国際的に受け入れられる物流品質を示すことができます。

倉庫・物流担当者が押さえるべきポイント(実務視点)

  • GDP文書化(SOP)をPIC/S準拠で整える

  • 温度管理(データロガー/マッピング/緩衝材)

  • 教育訓練の記録

  • 委託先(運送会社)の適格性評価

  • 逸脱・変更・CAPA のルール化

  • セキュリティと偽造防止対策

  • 輸送時の完全性保持(封印、破損防止梱包)

PIC/S視点を取り入れるほど、
国際的に通用する物流品質レベルに近づくといえます。

まとめ

PIC/Sは

「世界の医薬品流通を同じ基準で守るための国際協力組織」

日本の医薬品GDPガイドラインは、PIC/S GDP Guideを基に作られており、
物流担当者はPIC/Sの考え方を理解すると、
自社の物流品質が国際的にどのレベルにあるかを把握できます。

PIC/Sへの準拠は、もはや“海外向け対応”ではなく、
国内運用でも求められる標準品質となっています。

 

作成 :薬剤師 菅沼一茂

丸総が実現する「流れ続ける物流」

株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:

  • 温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理

  • リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)

  • BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)

医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。

医薬品物流の見直し、ぜひ丸総にご相談ください

製薬企業・卸企業・医療機関の皆様、
丸総が医薬品物流のパートナーとしてお力になります。

▶︎ [お問い合わせはこちら]

メディカル担当

電話:0548-32-0770

e-mail:sales@marusoh-el.co.jp

お問い合わせ

医薬品・医療機器の物流に関することや資料請求はお気軽にお問い合わせください