PIC/Sとは何か
PIC/Sは、医薬品のGMPおよびGDP分野で国際的な査察調和を推進する組織です。
現在、世界50か国以上が加盟する巨大な枠組みで、
“国際的に同等の査察水準を確保する” ことを目的としています。
PIC/Sの役割
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GMP・GDP査察の基準・手法の国際調和
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加盟当局間の査察官の訓練・交流
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ガイドライン作成(GDP Guideなど)

こんにちは。
今回は医薬品GDPとPIC/Sの関係について考えたいと思います。
PIC/Sは、医薬品のGMPおよびGDP分野で国際的な査察調和を推進する組織です。
現在、世界50か国以上が加盟する巨大な枠組みで、
“国際的に同等の査察水準を確保する” ことを目的としています。
PIC/Sの役割
GMP・GDP査察の基準・手法の国際調和
加盟当局間の査察官の訓練・交流
ガイドライン作成(GDP Guideなど)
PIC/Sが策定した「GDPガイド」は、
医薬品の流通過程における品質確保の国際基準です。
日本のGDPガイドラインは、PIC/S GDP Guide(2014)を
大きく参考にして作成されています。
PIC/S GDP Guideの特徴
リスクベースアプローチを採用
GDPの**全工程(受け入れ・保管・輸送・返却・輸出入など)**をカバー
品質システム、文書管理、委受託管理などを明確化
“温度管理” や “完全性の保持” を重視
監査(self-inspection)や是正措置(CAPA)の要求
日本GDPはPIC/Sをベースに構築
2018年の医薬品GDPガイドラインは
PIC/S GDP Guideとの整合性を強く意識して作成されています。
特に
品質マネジメントシステム
教育訓練
委受託管理
温度管理・輸送
の要求事項はPIC/Sと共通しています。
国際整合性の重要性
医薬品の流通はグローバル化しており、
各国が同じ基準で品質を守る必要があります。
PIC/Sに準拠したGDP運用は、
輸出入時の信頼向上や
国際的な査察にも耐えうる倉庫・物流体制を作る意味があります。
国際基準=海外製造所や海外卸との取引信頼性向上
温度逸脱管理などの実務レベルでの整合性
リコール・不具合発生時の迅速なトレーサビリティ確保
品質と安全の観点で規制当局が共通言語を持つため
日本企業もPIC/S GDPを参照した体制を構築することで、
国際的に受け入れられる物流品質を示すことができます。
GDP文書化(SOP)をPIC/S準拠で整える
温度管理(データロガー/マッピング/緩衝材)
教育訓練の記録
委託先(運送会社)の適格性評価
逸脱・変更・CAPA のルール化
セキュリティと偽造防止対策
輸送時の完全性保持(封印、破損防止梱包)
PIC/S視点を取り入れるほど、
国際的に通用する物流品質レベルに近づくといえます。
PIC/Sは
「世界の医薬品流通を同じ基準で守るための国際協力組織」
日本の医薬品GDPガイドラインは、PIC/S GDP Guideを基に作られており、
物流担当者はPIC/Sの考え方を理解すると、
自社の物流品質が国際的にどのレベルにあるかを把握できます。
PIC/Sへの準拠は、もはや“海外向け対応”ではなく、
国内運用でも求められる標準品質となっています。
作成 :薬剤師 菅沼一茂
株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:
温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理
リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)
BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)
医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。
製薬企業・卸企業・医療機関の皆様、
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