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医薬品GDPのCAPA

2025/10/16(2025/10/06)
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医薬品GDP
医薬品GDPのCAPA

こんにちは。

今回はCAPAについて考えたいと思います。

 

CAPAとは

CAPA(是正措置および予防措置)は品質システムの中核を担う仕組みです。

  • 是正措置(Corrective Action):
     発生した不具合・逸脱などの原因を特定し、再発防止のために行う対策。

  • 予防措置(Preventive Action):
     問題が発生する前に、潜在的なリスクを未然に防止するための対策。

医薬品GDPでは、単に「不具合を直す」だけでなく、原因を究明し、仕組みを改善することが求められます。

CAPAが必要となる場面

以下のような事象が発生した場合、CAPAの検討・実施が必要です。

  • 輸送中の温度逸脱

  • 保管エリアでの防虫発生

  • ピッキングミス・出荷誤り

  • 文書手順の不遵守

  • 内部監査や自己点検での指摘事項

  • 苦情対応や品質情報からのフィードバック

これらの事象を放置せず、再発を防ぐための仕組み作りがCAPAの目的です。

CAPAの基本プロセス

  1. 事象の記録・報告
     逸脱や不具合が発生したら、まず正確に記録し、責任者へ報告します。

  2. 原因調査(根本原因の特定)
     表面的な要因ではなく、「なぜそれが起こったのか」を深掘りします。
     → 例:ヒューマンエラーではなく、教育不足や手順書不備が原因など。

  3. 是正措置の立案と実施
     再発防止策を具体的に立案し、実行します。
     例:作業手順の改訂、教育訓練の実施、設備点検の強化など。

  4. 効果確認(フォローアップ)
     実施した対策の効果を確認します。
     → 同様の事象が再発していないかをモニタリングします。

  5. 予防措置の検討
     他の業務や工程に同様のリスクがないかを検証し、予防策を講じます。

現場での実践例

事象 是正措置 予防措置
輸送時に温度逸脱 冷蔵庫設定温度の見直し、記録計の点検 出荷前確認リストの追加、ドライバー教育強化
防虫発生 清掃手順の再確認、トラップ設置強化 防虫管理業者との定期確認会の設定
ピッキングミス 棚ラベル見直し、ダブルチェック導入 ピッキングシステム改修、教育訓練実施

まとめ

CAPAは、
「不具合を正す」ための対応ではなく、
「再発を防ぎ、品質文化を育てる仕組み」です。

医薬品の品質確保は、現場一人ひとりの改善意識から生まれます。
日常業務の中で「なぜ?」を大切にし、CAPAを通じてより良い物流管理を目指しましょう。

作成 :薬剤師 菅沼一茂

丸総が実現する「流れ続ける物流」

株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:

  • 温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理

  • リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)

  • BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)

医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。

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