変更管理の目的
医薬品の流通過程においては、品質に影響を及ぼす可能性のある設備・手順・文書・委託先などの変更が発生します。
これらの変更を適切に管理することにより、医薬品の品質・安全性・供給の信頼性を維持することが目的です。
変更管理は、GDPの基本である品質システムの一部として位置づけられます。

こんにちは。
今回は変更管理システムについて考えたいと思います。
医薬品の流通過程においては、品質に影響を及ぼす可能性のある設備・手順・文書・委託先などの変更が発生します。
これらの変更を適切に管理することにより、医薬品の品質・安全性・供給の信頼性を維持することが目的です。
変更管理は、GDPの基本である品質システムの一部として位置づけられます。
変更管理の対象となるのは、以下のようにGDP業務全般に関わる要素です。
施設・設備の変更:倉庫レイアウトの改修、空調機器の更新、温度管理機器の入替など
手順書・文書の変更:SOPの改訂、記録様式の更新
システム変更:在庫管理システムや温度ロガーデータ処理システムの導入・更新
委託業務関連:外部倉庫・輸送業者の変更、新規委託契約
組織・人事の変更:責任者や担当者の交代、組織体制の見直し
変更は、計画・評価・承認・実施・確認の流れで管理します。
変更提案の提出
現場担当者や責任者が変更内容を「変更申請書」に記載し提出します。
影響評価
変更が品質・安全性・法令遵守に及ぼす影響を、関係部門(品質保証・倉庫・輸送・情報システム等)で評価します。
承認
影響が明確化されたうえで、品質保証責任者などが実施可否を判断します。
実施
承認後、計画に基づいて変更を実施し、必要な教育や検証を行います。
実施結果の確認と記録
変更が予定どおり完了したか、品質への影響がなかったかを確認し、記録します。
事前承認が原則:緊急対応を除き、変更は実施前に承認を得る必要があります。
リスクベースの判断:変更の重要度に応じて評価の深さや承認レベルを設定します。
記録の完全性:誰が、いつ、何を、どのように変更したかを明確にすること。
教育・周知:変更内容が現場に浸透しなければ意味がありません。必要に応じて教育を実施します。
変更管理は、GDPの他の品質システムとも密接に関連しています。
| 関連システム | 関係内容 |
|---|---|
| CAPA | 不具合対応に伴う手順変更はCAPAと連動する |
| 文書管理 | 手順書や記録様式の改訂が発生する |
| 教育訓練 | 変更後の作業内容を社員に周知・教育する必要がある |
| 自己点検 | 変更の運用状況や有効性を確認する |
変更管理システムは、単に「書類を作るための仕組み」ではなく、
品質リスクを最小限に抑え、継続的な改善を実現するための重要なプロセスです。
物流現場では、日常の小さな変更も見逃さず、
「これは品質に影響しないか?」という視点で判断することが求められます。
作成 :薬剤師 菅沼一茂
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