医薬品GDPとは?——“安心”を運ぶ見えない手綱
私たちが薬を手にするとき、それは薬局や病院の棚に並んでいます。でも、その薬がそこに届くまでには、いくつもの人の手と、きちんとした“ルール”が関わっています。そのルールのひとつがGDPになります。
GDPは、簡単に言えば「医薬品が品質を保ったまま、安全・確実に患者さんに届くようにするためのガイドライン」です。製造から配送、保管、そして最終的に医療機関や薬局に届くまで、すべての過程に「きちんと」した管理が求められるのです。
こんにちは。
8月も20日になって来ましたね。
今回は医薬品GDPを振り返って考えてみましょう。
私たちが薬を手にするとき、それは薬局や病院の棚に並んでいます。でも、その薬がそこに届くまでには、いくつもの人の手と、きちんとした“ルール”が関わっています。そのルールのひとつがGDPになります。
GDPは、簡単に言えば「医薬品が品質を保ったまま、安全・確実に患者さんに届くようにするためのガイドライン」です。製造から配送、保管、そして最終的に医療機関や薬局に届くまで、すべての過程に「きちんと」した管理が求められるのです。
医薬品は“モノ”であると同時に“命を守る道具”でもあります。その品質が少しでも損なわれると、治療効果が落ちたり、副作用を引き起こしたりする可能性があります。
たとえば、温度に敏感なワクチンや注射剤が、猛暑の中で温度管理されずに運ばれていたらどうなるでしょうか?
あるいは、偽造薬が正規ルートに紛れ込んでしまったら?
そうしたリスクを未然に防ぎ、安心して医薬品を使ってもらうためにGDPがあるのです。
GDPでは、主に次のような点が重視されます。
トレーサビリティ(追跡可能性)
「いつ、どこで、誰が、何をしたか」が分かる記録が必要です。
温度管理
医薬品に適した温度帯で保管・輸送されているかを確認します。
偽造防止・不正防止
正規品以外が混入しないよう、セキュリティ対策を講じます。
教育訓練
関係者すべてがGDPの意味と自分の役割を理解していることが重要です。
文書化・記録の保存
「言った」「やった」だけでなく、「記録がある」ことが大前提です。
医薬品の倉庫や物流センターでは、さまざまな工夫がされています。
24時間の温度モニタリング
冷蔵品用の専用ルート
盗難防止のための監視カメラや施錠管理
破損や汚染を防ぐ梱包方法
出荷前のダブルチェックや自動記録装置の導入 など
これらの対応は、「過剰なコスト」ではなく、「信頼を守るための投資」といえます。
倉庫で働く人や配送を担う人は、GDPの最前線にいます。
たとえば「荷降ろしのときに箱が潰れていた」「冷蔵品なのに常温で来た」――こうした
“気づき”をスルーせず、すぐに報告することが大切です。
物流の現場は、医薬品の“品質のバトン”をつなぐ重要な場。そこに関わる人ひとりひとりの意識と行動が、患者さんの安心へとつながっていきます。
GDPは、一般の人にはなかなか見えないものです。
でも、それが正しく守られているからこそ、薬は“当たり前”のように薬局にあり、“当たり前”のように効くのです。
だからこそ、物流に関わる私たちは、見えないところで「信頼」を支えているという誇りを持って働きたいですね。
作成 :薬剤師 菅沼一茂
株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:
温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理
リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)
BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)
医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。
製薬企業・卸企業・医療機関の皆様、
丸総が医薬品物流のパートナーとしてお力になります。
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