返却医薬品とは
流通過程で卸や医療機関、薬局などから倉庫へ戻ってくる医薬品を指します。
主な返却理由は以下の通りです。
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発注数量の誤り
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輸送時の破損・汚損
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有効期限が近い、または経過していた
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製品回収(リコール)による返却
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温度逸脱などの保管不備が判明した場合
こんにちは。
今回は返却された医薬品の取り扱いについて考えたいと思います。
流通過程で卸や医療機関、薬局などから倉庫へ戻ってくる医薬品を指します。
主な返却理由は以下の通りです。
発注数量の誤り
輸送時の破損・汚損
有効期限が近い、または経過していた
製品回収(リコール)による返却
温度逸脱などの保管不備が判明した場合
返却医薬品は「そのまま再販売してよいか、廃棄すべきか」を厳密に判断しなければなりません。
不適切な医薬品が流通に戻ると、患者の安全性が損なわれる恐れがあるためです。
GDPの要求事項では、返却医薬品は 「識別・隔離・記録」 が必須とされています。
返却品が再流通可能かを判断する際には、次の条件を満たす必要があります。
未開封であること
→ 開封や封印破損があれば再流通不可。
保管・輸送条件が適正であることを確認できること
→ 温度ロガーや輸送記録で逸脱がないかを確認。
外観に問題がないこと
→ 箱つぶれ、ラベル破損、液漏れなどは不可。
有効期限が十分残っていること
→ 規程により「6か月以上残存」などの基準を設定。
記録が正確に残っていること
→ どこから、いつ、どのロットが戻ったかを追跡できる。
再販売可能と判断された場合
→ 受入検品を経て、通常在庫に戻す。
再販売不可の場合
→ 廃棄または返品処理(製造販売業者へ)。
→ 隔離エリアで保管し、誤出荷を防止。
製品回収に関連する返却
→ GDPに従い、回収手順書に基づき処理。
倉庫内に「返却品専用の隔離エリア」を設ける。
再販売可否の判定は、管理薬剤師や品質保証部門の承認が必須。
システム上も「返却品」と識別可能にし、誤って通常在庫に混ざらない仕組みが重要。
記録は 追跡性(トレーサビリティ)確保 の観点から一定期間保存する。
返却された医薬品は、患者の安全性に直結するリスクを持ちます。
GDPにおいては「受入時の確認」「隔離管理」「適切な処置」「記録保存」が重要であり、安易に再流通させない慎重な対応が求められます。
作成 :薬剤師 菅沼一茂
株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:
温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理
リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)
BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)
医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。
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