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医薬品GDPにおける返却された医薬品の取り扱い

2025/10/14(2025/10/02)
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医薬品GDP
医薬品GDPにおける返却された医薬品の取り扱い

こんにちは。

今回は返却された医薬品の取り扱いについて考えたいと思います。

 

返却医薬品とは

流通過程で卸や医療機関、薬局などから倉庫へ戻ってくる医薬品を指します。
主な返却理由は以下の通りです。

  • 発注数量の誤り

  • 輸送時の破損・汚損

  • 有効期限が近い、または経過していた

  • 製品回収(リコール)による返却

  • 温度逸脱などの保管不備が判明した場合

GDPにおける基本的な考え方

返却医薬品は「そのまま再販売してよいか、廃棄すべきか」を厳密に判断しなければなりません。
不適切な医薬品が流通に戻ると、患者の安全性が損なわれる恐れがあるためです。

GDPの要求事項では、返却医薬品は 「識別・隔離・記録」 が必須とされています。

返却医薬品の確認ポイント

返却品が再流通可能かを判断する際には、次の条件を満たす必要があります。

  • 未開封であること
    → 開封や封印破損があれば再流通不可。

  • 保管・輸送条件が適正であることを確認できること
    → 温度ロガーや輸送記録で逸脱がないかを確認。

  • 外観に問題がないこと
    → 箱つぶれ、ラベル破損、液漏れなどは不可。

  • 有効期限が十分残っていること
    → 規程により「6か月以上残存」などの基準を設定。

  • 記録が正確に残っていること
    → どこから、いつ、どのロットが戻ったかを追跡できる。

返却品の処置

  • 再販売可能と判断された場合
    → 受入検品を経て、通常在庫に戻す。

  • 再販売不可の場合
    → 廃棄または返品処理(製造販売業者へ)。
    → 隔離エリアで保管し、誤出荷を防止。

  • 製品回収に関連する返却
    → GDPに従い、回収手順書に基づき処理。

 

実務上の留意点

  • 倉庫内に「返却品専用の隔離エリア」を設ける。

  • 再販売可否の判定は、管理薬剤師や品質保証部門の承認が必須。

  • システム上も「返却品」と識別可能にし、誤って通常在庫に混ざらない仕組みが重要。

  • 記録は 追跡性(トレーサビリティ)確保 の観点から一定期間保存する。

まとめ

返却された医薬品は、患者の安全性に直結するリスクを持ちます。
GDPにおいては「受入時の確認」「隔離管理」「適切な処置」「記録保存」が重要であり、安易に再流通させない慎重な対応が求められます。

作成 :薬剤師 菅沼一茂

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