GDPは「倉庫管理の話」だけではない
GDPというと倉庫の温度管理や在庫の記録といった物流現場の話に思われがちです。
しかし実際には「業者の選定」や「委託管理」「輸送ルートのリスク評価」まで含まれており、単なる“現場ルール”ではなく、会社全体のマネジメントに関わる考え方です。
つまり、物流担当者だけでなく経営層や品質部門も巻き込む仕組みがGDPなのです。
こんにちは。
今回のコラムは固くなりがちな医薬品GDPのお話を柔らかめのお話でまとめてみました。
GDPというと倉庫の温度管理や在庫の記録といった物流現場の話に思われがちです。
しかし実際には「業者の選定」や「委託管理」「輸送ルートのリスク評価」まで含まれており、単なる“現場ルール”ではなく、会社全体のマネジメントに関わる考え方です。
つまり、物流担当者だけでなく経営層や品質部門も巻き込む仕組みがGDPなのです。
日本でのGDPガイドラインは2018年に厚生労働省から通知されましたが、その背景には欧州(EU GDP)やWHOの基準があります。
つまり、「日本のルール」というよりも世界標準に合わせる流れの一環なのです。
海外へ医薬品を輸出する製薬会社にとっては、GDP対応は“世界共通語”を話すようなものになります。
GDP対応の倉庫では、温度ロガーを使って24時間モニタリングを行います。
ここで「たった1℃ぐらい…」と思うかもしれませんが、その1℃が医薬品の品質に影響を与える可能性があります。
例えばワクチンなど温度に敏感な製品では、0.5℃の差でも有効性が左右されることがあります。
つまり、温度管理は「数字の話」ではなく「患者の安全」に直結しているのです。
GDPの文章を読むと「教育訓練」という項目が必ず出てきます。
倉庫や輸送の機器がどれほど最新でも、それを扱う人がルールを理解していなければ事故は起きてしまいます。
そのため、年に一度の教育や記録の保存が求められており、これはGMP(製造)と同じ考え方です。
つまりGDPは「モノ」と「環境」だけでなく「人の行動」も品質管理の対象としています。
輸送中に冷蔵車が停電した、倉庫のドアが開きっぱなしだった――こうしたトラブルは“逸脱”と呼ばれます。
GDPでは、逸脱を「なかったことにする」のではなく、原因を分析し再発防止につなげることが求められます。
これは「ミス=罰」ではなく、「ミス=改善のチャンス」と考える文化を作るための仕組みです。
GDPは「温度や記録を守る堅苦しいルール集」ではなく、
世界とつながる共通言語であり、品質文化を育てるための道しるべといえます。
作成 :薬剤師 菅沼一茂
株式会社丸総では、以下を核とした医薬品物流を構築・運用しています:
温度帯別対応(2〜8℃、15〜25℃)の厳格管理
リアルタイム可視化と履歴追跡(トレーサビリティ)
BCP設計支援(代替ルート、緊急便、優先出荷)
医薬品が「ない」では済まされない世界だからこそ、制度も物流も“想定外”に備えることが必要なのです。
製薬企業・卸企業・医療機関の皆様、
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